[ニューヨーク 27日 ロイター] 米コーヒーチェーン大手スターバックスは27日、2年以上勤続している米従業員の賃金を引き上げると発表した。さらに従業員のリファラル(紹介)採用には200ドルの報奨金を支払う方針で、米外食業界が人手不足に苦闘する中、人材の確保を狙う。 スターバックスによると、少なくとも2年以上勤続の従業員の賃金5%、少なくとも5年以上勤続の従業員は10%それぞれ引き上げられる見通し。 また、全ての米従業員の平均賃金を2022年の夏までに時間当たり15ドルから23ドルのレンジで引上げ、平均17ドル近辺にする見通しという。 2021年10月28日(木)6:27配信 YAHOOニュース REUTERSロイターより引用
業界大手の人材確保戦略がすごいですね。すべての従業員の平均賃金を時間当たり17ドル程度まで引き上げるということです。1ドル110円換算すると「1,870円」になりました。 昨今、日本でも毎年かなりの勢いで最低賃金が上がっていますが、それでも令和3年10月からの全国平均で「930円」となっており、米スターバックスの半分以下の金額です。 アメリカの最低賃金はさぞかし高いのだろうという思いと、他の諸外国の最低賃金はどうなっているのかと思いから少し調べてみました。
世界の最低賃金ランキング(時給換算/1ドル110円換算)
1位:オーストラリア(12.9ドル/1,419円) 2位:ルクセンブルク(12.6ドル/1,386円) 3位:フランス(12.2ドル/1,342円) 4位:ドイツ(12.0ドル/1,320円) 5位:ニュージーランド(11.8ドル/1,298円)
「出島・世界の最低賃金ランキング(2020年版)から引用」
日本はランキング14位(8.2ドル/902円)で、驚いたのはアメリカが日本よりもランキングが低くて17位(7.3ドル/803円)でした。
世界の平均年収ランキング(1ドル110円換算)
1位:アメリカ(69,392ドル/7,633,120円) 2位:アイスランド(67,488ドル/7,423,680円) 3位:ルクセンブルク(65,884ドル/7,247,240円) 4位:スイス(64,824ドル/7,130,640円) 5位:オランダ(58,828ドル/6,471,080円)「出島・世界の最低賃金ランキング(2020年版)から引用」
日本は22位(38,515ドル/3,890,015円)で、諸外国と比べるとかなり低い平均収入でした。逆に最低賃金は低いのに、平均年収ではアメリカがトップで、格差社会が数値に表れていると思いました。
先日、行われた衆議院議員選挙では、野党勢力の大勢は最低賃金を「1,500円」に引き上げると公約していましたが、日本の場合はどちらに進んでいくのでしょうか。現在の流れでは、最低賃金が毎年引き上げられ、少しでも格差の底上げをしていきたい傾向のように見えますが、コストを上げても自動的に労働力の付加価値が上がるわけではありません。付加価値を上げるために教育しようにも人手や時間が必要です。日本の企業は99%以上が中小企業ですから、コストアップで負荷ばかり掛かると破綻してしまうのではないでしょうか。泣き言は言えませんが、ほどほどにして頂きたいです。
11月給与の注意事項
- 年末調整の準備をしましょう。
- 10月から最低賃金が改定されます。東京都1,041円、千葉県953円、埼玉県956円となります。近年急激に最低賃金額が上がっていますから、最低賃金割れになる従業員様がいないようにご注意ください。
(所長:細川 知敬)