「朝は時間がないので、出社後にコンビニへ行って朝食を購入している」という方もいらっしゃるかもしれません。ほかにも、勤務中に「気分転換として数分、席を立つ」こともあるでしょう。
このような場合、勤務中であれば、給与は普通に発生すると考えている人は多いかもしれません。そこで今回は、法律上、勤務中の使用に対する給与発生の有無について、解説します。
出社してすぐにコンビニへ行くことは違法?
結論からお伝えすると、出社してタイムカードを打刻したのちに、私用でコンビニや売店に行くことは、労働基準法の視点から見れば法律違反となります。しかし、違反かどうかは、その会社の就業規則によっても異なります。
労働基準法で定められている労働時間は、原則として1週間40時間、1日8時間です。そのうち休憩時間は、以下のように設定する必要があります。
- 6~8時間の場合:少なくとも45分
- 8時間超:少なくとも1時間
会社の労働時間が1日8時間で、そのうち休憩が1時間と定められている場合は、8時間の労働時間内は職務に専念しなければなりません。ただし、トイレなどの生理現象による場合や、会社の就業規則に決められている内容での離席は、問題ないといえるでしょう。
労働基準法の違反に当たる行為
8時間の労働時間内(休憩を除く)は、原則、職務に専念することが義務付けられています。なお、休憩時間での過ごし方は各人の自由です。休憩時間内に、電話対応などの業務に時間を費やした場合は、その分の時間を休憩に追加できます。
しかし勤務中に、どうしても離席しなければならない用事が発生することもあるでしょう。その場合は、上司に許可を取り、対応することが大切です。
無断で長時間離席することは、厳密には法律違反となります。
やむを得ず通勤時に朝食を買えなかった場合は、上司から許可が下りれば、コンビニに行ってもよいでしょう。しかし、毎日そのような行動をとっていると、意図的にサボっていると思われてしまうかもしれません。基本的には、通勤中に、朝食の購入は済ませておくほうがよいでしょう。
また会社によっては、休憩時間以外にも、気分転換や仮眠の時間を設けているところもあります。実際は、仕事が行き詰ったときにコーヒータイムをとったり、気分転換に社内を散歩したりすることは、許容範囲内としている会社も多いようです。
会社の就業規則の範囲内であることや、急な用事ができたときは上司に許可を取るなど、適切に対応することが大切です。 ~以下略~
2023年9月17日(日)11:30配信 ファイナンシャルワールドYAHOOニュースから引用
就業規則がある会社であれば、就業規則の服務規律の中に「勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと」などの規定があるはずです。職務専念義務は、雇用契約に付随する義務であり、就業規則等で規定していなくても労働契約上の当事者である従業員として当然に負う義務であり、これに違反する場合には債務不履行(雇用契約違反)として普通解雇の自由にもなり得ます。
しかし、職務専念義務は、従業員が負うべき義務の中で最も重いものであるにも関わらず、労働基準法や労働契約法のいずれにも規定がありません。それゆえに、会社(事業主)としては職場のルールの中核として第一に就業規則に定めるべきものでしょう。反対に従業員の立場としては、所定労働時間中は職務に専念して、時間外労働が発生しないようにするべきでしょう。
10月給与の注意事項
- 9月分保険料から健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額が、今年の算定基礎届を反映した額に変更されます。9月末退職者がいる場合は、控除する保険料にご注意ください。
- 今年も10月から最低賃金が改定される予定です。東京都1,113円、千葉県1,026円、埼玉県1,028円となります。近年急激に最低賃金額が上がっていますから、最低賃金割れになる従業員様がいないようにご注意ください。
(所長:細川 知敬)