細川事務所通信

令和4年11月号 Vol.136

納付期間45年に延長 厚労省検討へ 国民年金保険料

厚生労働省は25日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会を開き、国民年金(基礎年金)制度改革の議論を本格化させる。保険料の納付機関を現行の20歳以上60歳未満までの40年間から、65歳未満までの45年間に延長する案を検討する。5年に1度行っている年金の財政検証に合わせて、令和6年に結論を出し、7年の通常国会に関連法改正案の提出を目指す。

社会保障制度改革は、少子高齢化に伴う現役世代の減少により年金の受給水準が低下するのを少しでも食い止め、財源を確保するのが狙いだ。

公的年金制度は、20歳以上60歳未満の全ての国民が加入する国民年金を1階部分、会社員や公務員などが加入する厚生年金を2階部分とする2階建ての仕組みとなっている。国民年金の保険料は月1万6590円で、40年間納付し続けた場合の受給額は月約6万5千円。

年金部会では納付期間の延長に加え、厚生年金の財源の一部を国民年金に回すことも検討する見通しだ。これらを加味した厚労省の試算によると、自営業者らだけでなく、会社員らの受給額も現在とほぼ同水準を保てる可能性があるという。

人口動態をめぐっては、7年に団塊の世代が75歳以上となり、24年には高齢者人口がピークに達する。制度を持続可能なものにするため、年金の伸びを物価や賃金の伸びより低くする給付抑制策「マクロ経済スライド」があるが、これにより国民年金のみの高齢者の生活はより苦しいものになることが予想される。こうしたことを踏まえ、厚労省は見直しを急ぐ。

ただ、政府・与党は公的年金制度を「100年安心」とうたった経緯があり、保険料納付期間の延長には反発も予想される。厚生年金の財源を国民年金に回すことについても、会社員らから理解を得るのに時間がかかりそうだ。

厚労省幹部は「納付期間延長の話は令和元年の財政検証の際にも選択肢としてはあった。年金制度を維持するためには現行からの変更は待ったなしだ」と語っている。

2022年10月24日(月)19:15配信 YAHOO!ニュースから引用

 少子高齢化の進行によって、医療費や年金財源を巡っては年々予算が拡大して、どこに負担を求めるか、財源をどうするかの議論がされていますが、結局、現役世代にばかり負担を求められることになり愕然とします。待ったなしの状況になるずっと前から検討すべきことだと思うのですがどうなのでしょうか。

 記事にあるような保険料納付期間を65歳までとする改正がされると、納付期間の延長により1人当たり約100万円の負担増となります。(16,590円×12か月×5年=995,400)現行の国民年金保険料が16,590円ということですが、私が社会保険労務士の資格試験勉強をしている頃の国民年金保険料は、確か13,300円だったと思います。現行の国民年金保険料との差額が3,290円ですから、40年間で約158万円の負担増になっています。(3,290円×12か月×40年=1,579,200円)これらを合計すると約258万円の負担増ですから、よく確認しておく必要があります。

 特に今年は世界情勢の影響を大きく受け、物価も大幅に上がっています。私たちや私たちの子供たちの将来のために、社会の在り方を真剣に考える必要があります。

11月給与の注意事項

  1. 年末調整の準備をしましょう。
  2. 10月分保険料から雇用保険料率が改定されます。一般の事業13.5/1000(労働者負担分は5/1000)、建設の事業16.5/1000(労働者負担分は6/1000)にそれぞれ改定されます。給与計算の締日が10月1日以降で当月払い(10月支払い)の会社の場合は、10月支払分給与から雇用保険料率変更になるのでご注意ください。
  3. 10月から最低賃金が改定されます。東京都1,072円、千葉県984円、埼玉県987円となります。近年急激に最低賃金額が上がっていますから、最低賃金割れになる従業員様がいないようにご注意ください。

(所長:細川 知敬)

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