【国内外から多くの宿泊客が訪れる杉乃井ホテル=大分県別府市観海寺】
昨年、異例の10連休を導入した大分県別府市の老舗ホテル「杉乃井ホテル」(647室)が、今年も10連休に入っている。顧客の満足、従業員のモチベーション、収益への影響…。様々な懸念を乗り越え踏み出した佐々木耕一・総支配人(71)の「従業員のハッピーが、お客様のハッピーに」との思いは、2年目も揺らいでいない。 ~中略~
「お客様の満足度にひたすらこだわってきたが、社員の満足度にも力を注がないといけない。連休拡大は避けて通れなかった」。佐々木総支配人は、10連休導入の理由をそう話す。 ~中略~
背中を押したのは、政府が取り組み始めた「働き方改革」だ。有能な人材を集めるためにも改革は不可欠。「どうせなら10連休にしよう」と思い切った。社内でも大きな反対はなく、実現に至った。
対象者はフロントや調理など、現場で働く約500人。導入は社員らから歓迎された。初めて家族旅行をしたり、介護が必要な親を遠く離れるひ孫に会わせたり。短い休みでは難しかったことを実現させる社員も多かった。
連休中には希望者向けに5日間の海外視察も用意。約200人の交通費や宿泊費などの経費は会社が65%を負担する。調理担当の松木美咲さん(19)は昨年ハワイの視察に参加。「海外の店員の接客も勉強になった。この連休を毎年続けてほしい」と話す。 ~中略~
ただ、満室続きなのに休館すれば、収益への影響は避けられない。週末も休むことになるため、結婚式や披露宴、イベントなど宿泊以外でも大きな額の損失が出る。昨年の連休中の減収は、予想をはるかに上回る数億円に上った。
それでも、「社員がリフレッシュできるなら、どちらを取るかは明白だ」と佐々木総支配人は断言する。社員たちが外で経験するおもてなしやサービスで「ハッピー」になることが、仕事への新たな意欲にもつながると考えるからだ。 ~中略~
朝日新聞社 平成31年1月19日(土)6:50配信
先日とあるニュースで、日本の労働生産性は、先進7か国で最下位であることがわかったと報じられていました。日本生産性本部の調査によると、日本の労働者が1時間当たりに生み出す成果(=労働生産性)が4733円で、アメリカの3分の2にとどまるとのことです。
今年の4月から施行される働き方改革関連法案では、「魅力ある職場づくり」→「人材の確保」→「業績の向上」→「利益増」の好循環を作るため、「働き方改革」により魅力ある職場をつくることを目標として掲げられています。
上記の記事にもあるとおり、顧客満足度の追求のみならず、社員の満足度の追求も求められる時代になってきました。10連休を導入することで、社員が今までできなかった「家族サービス」が叶ったことや「海外視察制度」の導入など、「魅力ある職場づくり」の実現をしている素晴らしい取り組みだと思いました。
また他の会社では、喫煙をしない社員を対象に、年6日の休み「スモ休(有給休暇)」制度を導入したというものもありました。非喫煙者の社員は帰省するときに追加で「スモ休」を使用し、地元の友達と会ったり、家族で過ごす時間を大切にするのだそうです。
この制度を導入した背景には、従業員から喫煙者と非喫煙者の休憩時間に差があるのではないかという意見が「目安箱」に投稿されたのがきっかけとのこと。喫煙者からの声としては、堂々とタバコ休憩にいけるし、非喫煙者からしても、年間6日間の有給休暇はとても平等感を感じられたと喜びの声が上がっているそうです。
「働き方改革」の対応方法は、会社によって様々だと思いますが、上記のような好事例を参考に、社員満足度を高め、「生産性の向上」に繋げていければ最高ですね!
2月給与の注意事項
- 4月1日から施行される働き方改革関連法案への対応準備をしてください。特に有給休暇取得義務化については十分な準備をしてください。
ひとこと
インフルエンザが大流行していますが、皆様のご体調はいかがですか?今月も少しでも多くの方の力になれるように、仕事に精進します!
(所長:細川 知敬)