「10年前の‘09年より、すべての年金加入者に『ねんきん定期便』が郵送されるようになりました。これは毎年、加入者の誕生月に届くものです。国民年金、厚生年金などの加入期間や、65歳を迎えたときに受給できる年金の見込み額、これまでの保険料納付額などが書かれているので、自分の納付状況を知る大きな手段となります」
こう語るのは、年金制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。「ねんきん定期便」は、はがきで郵送されるため保管はしやすいが、受給者が受け取る「年金額確定通知書」とは違い、これだけでは“見落とし”についての決定的なヒントにはならないと加谷さんは話す。
「直近約1年の自分の納付状況に関しては、はがきの裏面に記載がありますから、納めていない場合は知ることができますが、納付開始からの全期間を把握できるわけではありません。そこで併せて利用したいのが、日本年金機構のホームページから行くことができる『ねんきんネット』というサイトです。パソコンやスマホでアクセスし、基礎年金番号などを入力して登録するだけで、定期便にはない『未納月数』などの情報を把握することができます」
ログインしたら、「各月の年金記録の情報」の欄を見てみよう。すると、これまでの国民年金、厚生年金の全加入期間が月別に記録されており、ページ下へとスクロールすれば、すべての期間分チェックができる。
「『国年』とあれば国民年金に加入し、『厚年』とあれば厚生年金に加入していたことを指します。もし自分に納め忘れがあった場合、該当する期間は赤字で『未納』と出ます。『未加』と表示されていたら、その時期に年金制度に未加入だったことを表しています。納められていない時期については、このページで期間を確認しましょう。年金は、過去2年分までさかのぼって納めることができますので、いまなら‘17(平成29)年度の6月分までは、納付できます。納めておけば、将来の受給額をアップさせることができます。」
ねんきんネットでは、今後の収入などを入力し、受給の見込み額をシミュレーションすることもできる。現役世代はねんきん定期便とねんきんネットをフル活用して、“見落としゼロ”の年金ライフを目指そう。
女性自身 2019年5月29日(水)11:00配信
皆さんは、「ねんきん定期便」を確認していますか?また「ねんきんネット」に登録されている方はどの位いらっしゃるのでしょうか。私も2011年4月に登録した自分のねんきんネットに久しぶりにアクセスしてみましたが、記事にもある通り全加入期間が一目で分かりますので、チェックする媒体としては非常に優れていると思います。しかし普段の各事業主様の入社手続き(社会保険加入手続き)をお手伝いさせて頂いている中では、ご自身の年金番号が分からないという方が非常に多くて、日本年金機構が期待するほど「ねんきんネット」は活用されていない気がします。
年金というと「老齢年金」のことを思い浮かべる方が多いと思います。それと同時に「どうせ将来は減額されたり、もらえなくなる」といったネガティブな声を耳にすることが多いです。
私は公的年金制度にも携わる専門家として「こうした考え方ではいけないな…」といつも思います。公的年金制度は法律で運営されている制度で、法律は国会で私たちの代表者である国会議員が作るもの、つまり公的年金は私たちが作った制度と言えます。保険料をどんどん上げられるだけではかないませんが、どうしたら制度を維持できるのかは、私たちも真剣に考えなければなりません。
また公的年金制度は「老齢年金」だけではなく、障害を負ってしまった場合の「障害年金」や一定のご遺族を残して亡くなってしまった場合の「遺族年金」が支給されるもので、実はとても手厚い社会保障だということも知って頂きたいです。
6月給与の注意事項
- 労働保険料の申告書は届きましたでしょうか? 一般事業所の労働保険料の年度更新の申告・納付期限は7月10日です。(提出期間は6月3日から7月10日)
- 6月の給与の支払いが終わりましたら、算定基礎届の準備をしましょう!!届出期限は7月10日です。(提出期間は7月1日から7月10日)
- 今月支払いの給与から、住民税特別徴収額が改定されます。給与計算の際にはお間違えの無いように、気を付けてください。
ひとこと
今月は紙面の都合で割愛させて頂きます。よろしくお願い致します。
(所長:細川 知敬)