細川事務所通信

平成30年1月号 Vol.78

社会保険事務手続きQ&A~給付制限期間中は被扶養者になれますか?

Q:

雇用保険の失業等給付を受けますが、給付制限期間中は被扶養者になれますか?

A:

 自己都合等で離職した場合、失業等給付受給まで1カ月から3カ月は給付制限期間中のため失業等給付を受けられませんので、その間は被扶養者になることができます。給付制限期間が終わり、失業等給付を受けると、主として被保険者の収入により生計が維持されているとは認められませんので、必ず扶養削除の手続きを行ってください。
 ただし、雇用保険の失業等給付を受給している間で基本手当日額が3,612円未満《5,000円未満》の場合は、失業等給付受給期間中であっても被扶養者になることができます
。  なお、失業等給付の受給の有無に関わらず、他に収入(年金、傷病手当金、家賃、不動産収入等)があり、年間収入(※)が130万円(日額3,612円)《180万円(日額5,000円)》以上の人は被扶養者になることはできませんので、ご注意ください。

(※)年間収入とは、過去における収入のことではなく、扶養に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。

【例】

  • 60歳未満(障害なし)
  • 遺族年金90万円
  • 失業等給付の基本日額3,000円 の場合

遺族年金の日額は90万円÷360(日)=2,500円となります。

失業等給付の基本日額とあわせると日額5,500円となり、3,612円以上となりますので被扶養者になることはできません。

◎《 》は60歳以上または障害厚生年金を受給できる程度の障害のある人の場合 詳しくは、管轄の年金事務所までお問合せください。

日本年金機構からのお知らせ 平成29年12月号より引用

 「扶養」というと、所得税や住民税の扶養を想像される方が多いかと思いますが、ここでは「健康保険の扶養」についてお話しします。細かい扶養認定の要件については割愛させて頂きますが、原則として「主として生計維持(同一世帯※一定の者)」されている「年収130万円(180万円※一定の高齢者や障害者)未満」の「3親等内の親族」が健康保険の扶養に該当します。

 日本に居住する人は「国民皆保険制度」といって、必ずいずれかの「公的医療保険」に加入することになっています。どんなにお金がある時でも、逆にお金がない時でも、風邪を引いて病院に行くことや、虫歯になって歯医者に行くことがあるはずです。

 公的医療保険に加入して、きちんと保険料を支払っている場合、原則的に医療機関での窓口負担は3割です。医療費が100%で10,000円かかる場合、通常の窓口負担は3割の3,000円(残りの7割は公的医療保険から保険給付されています!)適切な治療を受けるためには、普段からきちんと保険料を支払うことがとても大切ですし、頼れる家族があることもとても大切です。

 国民健康保険にはない給付ですが、サラリーマンの加入する「健康保険」には、病気で働けなくなった場合に給与の補填をしてくれる「傷病手当金」という給付もあります。

 また同時に話題に上がる年金についても、一般的に「公的年金」と聞くと、年を取った時にもらえる「老齢年金」だけが思い出されますが、公的年金制度では「障害年金」「遺族年金」という給付もあります。「障害年金」は例えば、がんに罹って脳障害になってしまった場合や、慢性腎不全に罹り人工透析が必要になった場合に、障害状態が続く限り年金がもらえます。

 保険料が高く敬遠される制度ではありますが、「公的保険(労災、雇用保険、健康保険、年金など)」は私たちが最低限の生活を営むための最後の砦です。制度の理解を深めて頂けるように、今後も都度お話させて頂ければと思います。

1月給与の注意事項

  1. 源泉徴収税を半年に一度の納付にされている会社は、平成29年7月1日から平成29年12月31日までに徴収した源泉所得税を1月22までに納付して下さい。
  2. 給与支払報告書の提出は1月31日までです。
  3. 労働保険料を分納している場合、第3期の納付期限は1月31日までです。(労働保険事務組合に業務委託されている事業所の場合は、1月22日に労働保険料の口座振替があります。)

ひとこと

 明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
本年も知識研鑽に励み、少しでも多くの皆様のお役に立てるように精進致しますので、どうぞよろしくお願い致します。

(所長:細川 知敬)

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