細川事務所通信

令和2年6月号 Vol.107

非正規、最大の減少 強まる雇用先行き懸念 4月労働力調査

総務省が29日発表した4月の労働力調査では、非正規労働者数が前年同月比97万人減と、比較可能な2014年以降最大のマイナスとなった。緊急事態宣言で営業自粛を迫られ、飲食店などがパートを減らしているためだ。従業員を解雇せずに休ませている企業も少なくないが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば持ちこたえるのは難しい。雇用情勢が一気に悪化する恐れもありそうだ。

 就業者数全体も7年4カ月ぶりに減少。産業別では宿泊・飲食サービスが46万人減った。雇用形態別では、パートのほか、アルバイトや契約社員の減少が目立つなど、正社員以外で影響が大きい。

 厚生労働省によると、新型コロナによる解雇や雇い止めは28日までで1万5823人。4分の3強が5月以降に増加ペースが速まる中、「失業が今後、増加の一途をたどるのではないか」(神津里季生連合会長)との懸念は根強い。

 一方、4月の完全失業率は前月比0.1ポイント上昇の2.6%と、ゆるやかな悪化にとどまっている。厳しい業種はあるものの、「人手不足の中で(人員を)カットすれば後が大変だから、何とか従業員だけは維持しようと頑張っている」(日本商工会議所の三村明夫会頭)という企業も多く、実際に休業者数は597万人と過去に例がない水準に膨れ上がっている。

 休業者が解雇されれば、失業率の急上昇は避けられない。こうした状況を踏まえ、政府は休業手当を出した企業に支給する雇用調整助成金の上限額引き上げを第2次補正予算案に計上。「なんとか雇用を維持してほしい」(厚労省)と、懸命の働き掛けを続けている。

5月30日(土)17:24 時事通信

 5月31日時点での雇用調整助成金の処理状況は、累計支給申請件数73,803件、累計支給決定件数は37,968件と、申請に対して約半数の支給決定がなされているようです。支給決定額の累計は183億6,800万円となっており、政府の公約通り迅速な審査・支給決定がなされているのではないでしょうか。

 雇用調整助成金オンライン受付システムについては、システムの不具合が発生してしまい稼働延期となっていますが、人との接触をなるべく避けるために、こちらについても早期復旧をしてもらいたいですね。このオンラインシステムは、実際のところ申請書類をPDFデータ化して審査担当窓口に送信するだけのようなので、郵送と中身は変わらないのですが、「一瞬で審査担当窓口に申請書類が届く」ことや、「郵便代が掛からない」などメリットがあり、今後、他の助成金申請についても仕組みを応用してもらえるといいですね。

 また政府は「みなし失業」の運用も検討しているとのことです。この「みなし失業」とは、休業を余儀なくされ、給与を受け取ることができない人に、実際に離職していなくても、失業しているとみなして、失業給付を受給できるようにするものです。過去にも東日本大震災の時に適用されており、会社は「離職票」の代わりに「休業票」を出すことになります。「離職票」を発行する退職の手続きと同じであれば、「雇用調整助成金のように初めてで全く分からない…」ということはなく、有効に機能するかと思います。ウイルスと共存しなければならない社会ではスピード感が必要です。

 しかし我が国の現状の休業補償については、雇用調整助成金を活用する以外の選択肢はありません。この助成金は休業手当支払実績に対する後払いです。会社としては休業手当を支払えるだけの資金的体力も求められるので、使い勝手が良いとは決して言えませんが、社会要請に応えて雇用を維持することで、従業員様との信頼関係を築く大きなチャンスと捉えることもできると思います。

6月給与の注意事項

  1. 一般事業所の労働保険料の年度更新の申告・納付期限は、例年7月10日ですが、今年は8月31日まで延長されています。(提出期間は6月1日から8月31日)
  2. 6月の給与の支払いが終わりましたら、算定基礎届の準備をしましょう!!届出期限は7月10日です。(提出期間は7月1日から7月10日)
  3. 今月支払いの給与から、住民税特別徴収額が改定されます。給与計算の際にはお間違えの無いように、気を付けてください。

ひとこと

 今月は割愛させて頂きます。

(所長:細川 知敬)

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