細川事務所通信

平成30年9月号 Vol.86

健康保険の保険給付について

最近、請求のお手伝いやご質問を頂くことが多かったので、今回は「協会健康保険の保険給付」について、少し触れてみたいと思います。保険給付の種類は、下記のとおりです。「被扶養者に関する保険給付」には、「傷病手当金」「出産手当金」がありません。

保険事故

被保険者に関する保険給付

被扶養者に関する保険給付

疾病・負傷

療養の給付

入院時食事療養費

入院時生活療養費

保険外併用療養費

療養費

家族療養費
訪問看護療養費 家族訪問看護療養費
移送費 家族移送費

高額療養費及び高額介護合算療養費

傷病手当金 **********
出産 出産育児一時金 家族出産育児一時金
出産手当金 **********
死亡 埋葬料 家族埋葬料

※被保険者=従業員、被扶養者=従業員のご家族(配偶者やお子様など)と考えるとイメージしやすいと思います。

【高額療養費(限度額適用認定証)】

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※入院時の食事負担や差額ベッド代等は含みません。)が、一カ月(1日から末日まで)の上限額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額を支給する(戻してもらえる)制度です。毎月の上限額(自己負担限度額)は、加入者が70歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって分けられています。

大きな注意点が2つあって、高額療養費の支給は歴月単位で行われるため、月をまたぐ治療をした場合は、それぞれの月ごとに高額療養費の算定がされることです。もう一つは、あとから申請して払い戻されるので、一時的な立替金が大きな負担になることです。

 医療費が高額になりそうなときは、「限度額適用認定証」を利用してください。限度額適用認定証を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、一カ月の窓口でのお支払いが、上記で説明した上限額(自己負担限度額)までとなります。

【傷病手当金】

 傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、会社から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。支給開始の日から最長1年6ヶ月まで、給与の約7割(※1日あたりの金額=[支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額]÷30日×2/3)が支給されます。(給与保障という性格上、被保険者のみの保険給付です。)

【出産手当金】

 出産手当金は、産前産後休業期間の給与保障です。被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として支給されます。支給される額は、傷病手当金と同様、給与の約7割(※1日あたりの金額=[支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額]÷30日×2/3)です。(こちらも給与保障という性格上、被保険者のみの保険給付です。)

 産前産後休業が終わり育児休業をする場合は、引き続き「雇用保険」から「育児休業給付金」が支給されることになります。

9月給与の注意事項

  1. 9月分保険料から健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額が、今年の算定基礎届を反映した額に変更されます。9月末退職者がいる場合は、控除する保険料にご注意ください。
  2. 今年から厚生年金保険料率の改定はありません。
  3. 10月から最低賃金が改定されます。

ひとこと

 まだまだ暑い日が続いておりますが、体調はいかがでしょうか?私は9月8日に初めてハーフマラソンにチャレンジします!良い報告ができるよう頑張ります!

(所長:細川 知敬)

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