無資格受診発生防止のため、退職される方の保険証の回収と返却にご協力をお願いいたします。
無資格受診について返還を求めた金額 → 年間 約8億2,700万円
【無資格受診とは?】
退職後や扶養から外れた後も保険証を返却せず、無効となった保険証で医療機関を受診することで、このようなケースが増えています。
無資格受診は、本来、協会けんぽが負担する必要のない医療費となることから、健康保険料率に大きな影響を及ぼし、保険料率の引き上げの要因となります。【無効な保険証の使用が判明した場合】
退職された方への法的措置も含めて、医療費の返還を求めています。
不要な医療費の支出を防ぐため、事業主の皆様におかれましては、迅速・確実な保険証の回収にご協力をお願いいたします。― 「退職される方」、「扶養から外れる方」にお伝えいただきたいこと ―
- 保険証が使用できるのは退職日までです。 退職日の翌日から保険証は無効です。 ※ご家族(被扶養者)が扶養から外れた場合は、扶養から外れた当日から保険証は無効です。
- 無効の保険証は、事業所へ返却が必要です。 ご家族(被扶養者)の保険証や、高齢受給者証も併せてご返却ください。 ※保険証の返却がない場合は、ご本人に「保険証の無効と返却のお知らせ」を送付し、返却を求めています。
- 退職された方ご自身で、次に加入する健康保険の選択と加入の手続きが必要です。
回収した保険証は、「資格喪失届」等に添付のうえ、日本年金機構へ返却をお願いします。協会けんぽ東京支部からのお知らせ 平成29年11月版
協会けんぽ東京支部から上記のような案内が出されていました。私も以前から気になることがありましたので、今回は「公的医療保険」をテーマにしたいと思います。
皆様ご存知の通り、「公的医療保険」とは、病院や歯医者さんにかかった時に受付窓口で出す「保険証」のことです。「保険証」を持っていると病院の窓口で支払うお金は「3割負担」となり、残りの7割は「公的医療保険」から出ています。
私たちは「保険証」を使って医療サービスだけを「現物給付」という形で受けて、保険の使えるお金の請求は病院や歯医者さんから「公的医療保険の各保険者」にしているのです。
「公的医療保険の加入の仕方」は、主に働き方によって異なっていて、「自営業者→国民健康保険」「サラリーマン→健康保険」「船員→船員保険」「公務員・教職員→共済組合」「75歳以上の人→後期高齢者医療制度」となります。
今回はここが大事なのですが、医療保険制度ごとに運営主体(=保険者)が異なっていて、「国民健康保険→市区町村」「健康保険→全国健康保険協会または健康保険組合」などとなっています。つまり制度ごとに病院や歯医者さんがする保険の請求先が異なっているということです。
例えば「サラリーマンが脱サラして、自営業者になるケース」を考えた場合、健康保険(保険者=協会けんぽ)から国民健康保険(保険者=市区町村)に制度が変わります。制度変更手続き中に病院や歯医者さんに通院して、たまたま「以前の保険証」を持っていて使用しても、無効の保険証を使った本人は気付いていないし、病院や歯医者さんは「提示された保険証を信じて」窓口業務を行うでしょうから、少し時間が経ってから困ってしまうのです。(保険の請求先が異なるため!)
私がよく困ってしまうケースは、例えば11月1日入社の従業員様がいて、社会保険加入手続きの依頼を11月20日なって受けて、その間に無効になった国民健康保険の保険証を使用して病院や歯医者さんに通院してしまった場合などです。
上記のケースでもきちんと手続きを行えば損をすることはありませんが、「一時的なお金の立替」や「不要で慣れない手続き」が発生します。当然ご負担は自己責任になります。
公的制度は融通が利きませんから、十分にご注意ください。
12月給与の注意事項
- 年末調整の準備をしましょう。
- 賞与の支払いがある場合は、賞与支払届を忘れないようにしましょう。
ひとこと
今年は雨ばかり(特に週末ごとに…)で、あまり季節を感じられない年でしたが、寒くなるのは早くて、冬はしっかりと季節を感じられそうですね。寒いのは嫌いなんですよね…。
さて、そろそろ年末で周りが忙しくなってきました。忘年会や年賀状の準備、仕事納めに向けて体調管理を十分になさってください。
(所長:細川 知敬)