厚生労働省は3月28日、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大を発表した。
雇用調整助成金とは、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度。
緊急対応期間は4月1日~6月30日、感染拡大防止のため、この期間中は全国で特例措置を実施する。
対象となる事業主は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)で、今回、生産指標要件を1カ月5%以上低下に緩和した。
新たに、雇用保険被保険者に加え、雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含めた。
助成率は、中小企業80%、大企業約66%として、解雇等を行わない場合は、中小企業90%、大企業75%まで引き上げた。また、計画届の事後提出を6月30日まで認める。
支給限度日数は、1年100日、3年150日に加え、4月1日から6月30日までの対象期間を加えた。~中略~
安倍晋三総理は3月28日、新型コロナウイルス対策に関する記者会見を開き、「4月から雇用調整助成金の助成率について、解雇等を問わず、雇用を維持する企業に対して、正規、非正規にかかわらず、中小企業は90%、大企業でも75%に引き上げていきます。引き続き、日本国民にとって最も重要な雇用の維持に全力をあげて参りたいと思います」と述べ、雇用を守る施策を打ち出していた。
流通ニュース 2020年3月30日(月)配信
先月も案内させて頂きました「雇用調整助成金」の特例が実施されており、先日、記者会見で首相から更なる拡充案が発表されました。
この雇用調整助成金の助成対象になる「休業手当」については、労働基準法に規定があり「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」というものです。
平たく言えば、日給10,000円の労働者を会社都合で休業させた場合に、日額6,000円以上の休業手当の支払いが必要ということです。今般、解雇等を行わない中小企業に対しては、助成率90%となりますから、5,400円が国から助成されるというイメージです。
この先どのような情勢になるか予測不能なので、スムーズに助成金申請をするために準備しておくべきことは、下記のようなものになります。(助成金申請時の添付書類になります。)
- 事業内容と資本金を確認できる「会社案内パンフレット」「登記事項証明書」「法人税確定申告書」などの書類
- 常時雇用する労働者の人数を確認できる「労働者名簿」「会社組織図」などの書類
- 最近1カ月及び前年同期1カ月の月ごとの売上高、生産高又は出荷高を確認できる「月次損益計算書」「総勘定元帳」「生産月報」などの書類
この他、コロナウイルス感染症の影響で「休業」する可能性があることを事前に従業員様へ説明して、協調体制を整えておくことが有益かと思います。
雇用調整助成金の詳細については、厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
景気に対する悪影響が小さいうちに、一刻も早い事態の収束を願うばかりです。
4月給与の注意事項
- 3月分(4月納付分)から健康保険料(東京都9.90%→9.87%、千葉県9.81%→9.75%、埼玉県9.79%→9.81%)・介護保険料(1.73%→1.79%)が変更になります。給与計算の際には間違いのないように注意してください。
- 令和2年4月1日から、高年齢労働者についても雇用保険料の納付が必要になります。
ひとこと
今月は割愛させて頂きます。
(所長:細川 知敬)