細川事務所通信

令和3年1月号 Vol.114

事業者検診(定期健康診断)結果データの提供

 会社に「事業者検診結果データ(40歳から74歳の方)の提供をお願いします。」と題した郵便物が送られて来ることがあります。

 事業者検診とは、労働安全衛生法に基づいて会社が従業員に行う定期健康診断(年1回の健康診断)のことですが、なんでも、事業者検診の結果の保険者への提供については「高齢者の医療の確保に関する法律」により義務付けられているとのこと。

 【高齢者の医療の確保に関する法律第27条】
 2.保険者は、加入者を使用している事業者等又は使用していた事業者等に対し、厚生労働省令で定めるところにより、労働安全衛生法その他の法令に基づき当該事業者等が保存している当該加入者に係る健康診断に関する記録の写しを提供するよう求めることができる。
 3.前二項の規定により、特定健康診査若しくは特定保健指導に関する記録又は健康診断に関する記録の写しの提供を求められた他の保険者又は事業者等は、厚生労働省令で定めるところにより、当該記録の写しを提供しなければならない。

 たまたま協会けんぽ・東京支部からのお知らせ(令和2年12月号)に上記のことが案内されていて、また身近でも心当たりがあったものですから、最近始まった取り組みなのかと思いましたが、かなり以前から行われているもののようです。

 「健診結果は個人情報ですから、会社が勝手に協会けんぽに提供しても大丈夫なの?」と心配になりますが、前述しました高齢者の医療の確保に関する法律により、会社が健診結果を保険者(協会けんぽ)へ提供することが義務付けられているので問題はなく、また、このような法律に義務付けがある場合は、健診を受けた従業員の同意も必要ないのだそうです。(個人情報保護法第23条)

 情報提供の方法は、「1.会社が健診結果通知の写しを協会けんぽに提供する」または、「2.会社が協会けんぽへ同意書を提出して、健診機関から健診結果データを協会けんぽへ提供する。」という2つがあります。

 提供した健診結果は、生活習慣の改善が必要な方に健康づくりのサポート(特定保健指導)を行う目的で利用されます。特定保健指導の利用は無料(協会けんぽの被保険者の場合)で、治療が必要な場合は医療機関への受診を勧奨してくれるとのことです。たとえ従業員でも、他人の生活習慣に干渉することは、なかなか難しい場合がありますから、上手く制度を利用してみるのも良いかもしれません。

1月給与の注意事項

  1. 源泉徴収税を半年に一度の納付にされている会社は、令和元年7月1日から令和元年12月31日までに徴収した源泉所得税を1月20日までに納付して下さい。
  2. 給与支払報告書の提出は2月1日までです。
  3. 労働保険料を分納している場合、第3期の納付期限は1月31日までです。(労働保険事務組合に業務委託されている事業所の場合は、1月20日に労働保険料の口座振替があります。)

ひとこと

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 2021年も一つでも多くお役立ちできますよう精進致します。何卒、変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。本年も皆様がご健勝でご多幸でありますよう、心よりお祈り申し上げます。

(所長:細川 知敬)

PAGE TOP