細川事務所通信

令和3年7月号 Vol.120

「企業イメージを阻害」近鉄が“就活セクハラ”採用担当者を懲戒解職 女子大学生をホテルに連れ込む

近鉄グループホールディングスの採用担当の男性社員が、就職活動中の女性大学生に個別に連絡をとってホテルに連れ込んだ問題で、近鉄は男性社員を8日付けで懲戒解職処分としました。

近鉄によると、採用担当の男性社員は、今年1月のインターンシップに参加した女子大学生に「エントリーシートを添削してあげる」などと、無料通信アプリのLINEで繰り返し連絡したということです。

男性社員は2月、女子大学生を食事に誘った上、ホテルに連れ込むなど、不適切な行為をしていました。

近鉄では、採用担当者が就職活動中の学生と個別に連絡をとったり会ったりすることを禁止していて、男性社員は「採用活動の中で好意を持った」と話し、不適切な行為を認めたということです。

近鉄は、この男性社員について、8日付けで懲戒解職処分としました。

処分の理由については、近鉄は「会社のルールに違反し、就職活動中の学生を傷つけた上、当社グループの企業イメージを著しく阻害したため」としています。

近鉄では、この問題を受け、自社の就職活動でハラスメントなどを受けた際の相談窓口を、社内と社外に新たに設けることにしています。

2021年6月9日(水) 関西テレビ YAHOO!ニュース より引用

 職場でハラスメントが発生すると、労働者の「意欲の低下」「心身の不調」「能力発揮の阻害」につながってしまいます。会社にとっても「企業秩序の乱れ」「業務への支障」「社会的信用の失墜」「人材流出」などの問題に発展する可能性がありますので、注意が必要です。

 2020年6月から、職場のパワーハラスメント防止措置が義務付けられ、セクシャルハラスメントやマタニティハラスメント等の防止とともに企業での対応が必要になっています。このうち中小事業主のパワハラ防止措置については、2022年4月からの義務になります。

 ハラスメント防止対策として求められる企業の対応としては、国の定める指針で下記のようなことが規定されています。

【事業主・労働者の責務】

  • 職場におけるハラスメントを行ってはならないこと等これに起因する問題に対する労働者の関心と理解を深めること。
  • その雇用する労働者が他の労働者(他の事業主が雇用する労働者、就職活動中の学生等の求職者および労働者以外の者を含む)に対する言動に必要な注意を払うよう研修を実施する等、必要な配慮を行う。
  • 事業主や労働者自身がハラスメント問題に関する関心と理解を深め、労働者(他の事業主が雇用する労働者、就職活動中の学生等の求職者および労働者以外の者を含む)に対する言動に必要な注意を払うこと。
  • 労働者においては、事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること。

 各対象の法律では「労働者の就業環境が害されない」ようにと「労働者」を保護対象としていますが、国の指針で「望ましい取り組み」として、「他社の労働者」や「就職活動中の学生等の求職者」なども保護対象とするよう求めています。

 人に対する配慮はコミュニケーションの重要な要素ですから、ハラスメント防止対策として義務感を感じながらではなく、コミュニケーション能力をレベルアップさせる目的も踏まえて、社内研修を実施してはいかがでしょうか。

7月給与の注意事項

  1. 一般事業所の労働保険料の年度更新の申告・納付期限は7月12日(月)です。(提出期間は6月1日から7月12日)
  2. 6月の給与の支払いが終わりましたら、算定基礎届をしましょう!!届出期限は7月12日(月)です。(提出期間は7月1日から7月12日)
  3. 源泉所得税の納期の特例承認を受けている場合は、7月10日が「1月から6月までの源泉所得税」の納付期限になります。

(所長:細川 知敬)

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