細川事務所通信

令和5年11月号 Vol.148

Amazon配達員を労災認定 実態は雇用、労基署判断

インターネット通販大手アマゾンジャパンの商品配達を個人事業主(フリーランス)として委託され、仕事中に負傷した60代の男性が、横須賀労働基準監督署(神奈川)から労災認定されたことが4日、分かった。

労働組合「東京ユニオン」が明らかにした。個人事業主は本来、労災の対象外だが、労基署は男性が指揮命令を受けて働く「労働者」に該当し、補償を受ける権利があると判断した。

実態は雇用なのに、業務を請け負う形で働く個人事業主は「名ばかりフリーランス」などと呼ばれ、労働基準法で保護されないことが問題視されてきた。

今回の認定は、アマゾンの配達を支える多くの個人事業主が補償の対象になり得ることを示した。個人事業主を労働力として利用する他の企業にも影響する可能性がある。

東京都内で記者会見した男性は、仕事でけがをしながら泣き寝入りする仲間もいたが「誰かが言わないと、国も状況が分からない」と労災申請した理由を説明。認定を機に働き方が是正されるよう願った。

労組によると、男性はアマゾンの下請け運送会社と業務委託契約し、神奈川県横須賀市内の商品配達を担当。昨年9月、階段から落ちて腰を骨折し、今年9月末に労災が認められた。国による50日分の休業補償が決まったという。

労災の補償などを定めた労基法は、雇用契約した労働者が対象だが、個人事業主でも発注者の指揮命令を受け自己裁量が少ないといった場合に適用される。

男性を支援するアマゾン労働者弁護団は声明を発表し「労働者性を肯定し画期的」と評価。アマゾンと配達業務に当たる下請け会社に「全ての配達員を雇用契約とすべきだ」と求めた。

弁護団は「アマゾンが提供するアプリから配達に関する指示が出ていたことが重視された」とみている。労基署の詳細な認定理由は今後、男性側に開示される見込み。

アマゾンを巡っては、男性を含む横須賀市の配達員が昨年6月、過酷な業務の改善を求めて労組を結成した。(共同)

2023年10月4日(日)18:40配信 日本経済新聞から引用

 以前にもアマゾンの荷物配達を運送会社から業務委託された個人事業主のドライバーについて、運送会社から指揮命令を受けており、事実上の雇用関係にあたるとして、労働基準監督署が運送会社に労働基準法違反で是正勧告した事案があったと思います。

 業務委託では業務の進め方は個人事業主の裁量に任されることになりますが、記事にもあるとおり配達員は、アマゾンが提供するスマートフォン用のアプリで荷物の数や配達先を指示され、さらに勤務時間も管理されていたようです。

 今回、労災認定によって労働者と認められたことは、残業代の支払いや有給休暇の取得など労働基準法の権利が発生するという意味も含まれていると思われます。

 厚生労働大臣も今回のフリーランスドライバーが労災認定されたことについて、フリーランスでも働き方の実態によっては労災保険の対象になるという認識を示し、また「労働者と判断された場合には日本年金機構に情報が提供されることになっており、この仕組みを活用して被用者保険の適用拡大を図っていきたい」と述べ、対象となる事業所で働く人が労災認定された場合には、健康保険や厚生年金への加入も促していく考えを示しています。

 使用者としては業務を依頼する対象者の「働き方の実態」を適切に認識する必要性が高まりました。たとえ形式上、業務委託契約としていても、実態判断された場合に雇用契約と変わらないと言われる要素がないか確認して、リスクがある場合は現状を改めなければならないでしょう。

11月給与の注意事項

  1. 年末調整の準備をしましょう。
  2. 10月から最低賃金が改定されています。東京都1,113円、千葉県1,026円、埼玉県1,028円となります。近年急激に最低賃金額が上がっていますから、最低賃金割れになる従業員様がいないようにご注意ください。

(所長:細川 知敬)

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