細川事務所通信

令和5年7月号 Vol.144

年収の壁解消に1人50万円助成 政府、雇用保険から拠出

一定の年収を超えると社会保険料などの負担が生じて手取りが減る「年収の壁」について、政府は手取りが減らない制度を導入する。当面の対応として、雇用保険料を財源に1人最大50万円の企業向け助成金を新設し、社会保険料に充当できるようにする。続いて抜本的な制度改正も検討し、壁を意識せずに希望の時間だけ働ける仕組みにする。

現行制度は101人以上の基業で月収8万8000円(年収換算で約106万円)を超える場合、社会保険料の負担が生じる。手取りが減るケースがあるため、月収がそれを超えないように働く時間を調整する人がいる。手取りの減少を防ぐには年収を125万円程度まで増やす必要がある。

政府は当面の対応として、新たに発生する社会保険料を補てんできる仕組みを時限的につくる。雇用保険制度のうち企業が保険料を負担する「キャリアアップ助成金」に新たなコースを設け、企業に助成金を配る。

支給条件や金額など詳細は今後検討する。1週間の所定労働時間を一定程度伸ばし、基本給を上げることを条件とする見通しだ。助成額は1人あたり最大50万円を軸に検討する。

例えば1週間の所定労働時間を3時間以上延ばして基本給を3%以上引き上げた場合、1人当たり50万円を支給するといった対応を検討する。

助成金制度は早ければ23年度中に開始し、3年程度の時限措置とする。3年ほど実施した場合、合計約200億円の給付となる見通しだ。

雇用保険などを活用する助成制度は、壁の抜本的な解消策を検討する時間の年金制度改正までの「つなぎ」と位置付ける。次の25年の改正に向けて厚生年金の適用拡大や、配偶者の扶養に入ることで保険料なしで国民年金に加入できる第3号被保険者制度の見直しなどを検討する。

2023年6月29日(木)11:40配信 日本経済新聞ONLINEから引用

手取りが減る「年収の壁」について、具体的に確認できた方が分かりやすいと思いましたので、下記のような表を作成してみました。

手取給与試算の条件は下記の通りです。

  • 東京都江戸川区在住 昭和54年4月1日生 44歳 扶養者0人
  • 時間給1,100円 1ヶ月4.5週間として計算

表中の

  1. 年収103万円 雇用保険、健康保険、介護保険、厚生年金保険すべての適用がない方
  2. 年収118万円 週20時間以上労働で雇用保険のみ適用のある方
  3. 年収118万円 社会保険適用拡大の対象者
  4. 年収130万円 社会保険適用拡大の対象者(社会保険の扶養非該当となる方)

【手取給与・試算表】

  年収 月収 雇用保険 健康保険 介護保険

厚生
年金

所得税 差引
支給額
住民税(年額)
1  103万 85,834          0 85,834  7,500
2 118万  98,334 590       590 97,744 21,600
3  118万 98,334 590 4,900  891 8,967 0 82,986 5,700
4   130 108,334 650 5,500 1,001 10,065 290 91,118  13,700

手取収入だけを見ると2.雇用保険のみ適用を受ける方が一番お得なようです。社会保険の適法拡大の対象者になるだけで、3.の方は手取収入だけ見ると1.の年収103万円の方よりも少なくなってしまいます。逆転現象が起きる方について「労働時間の延長」「賃上げ」対応をして給与の手取額減少しないように取り組んだ事業主が助成金支給対象になるということなのでしょう。

今まで配偶者の扶養になっていた方については、健康保険においては「傷病手当金」「出産手当金」の支給対象になりますし、年金においては将来の年金額が上がるというメリットがあります。負担だけでなく、メリットにも目を向けてみると良いかと思います。

7月給与の注意事項

  1. 一般事業所の労働保険料の年度更新の申告・納付期限は7月10日(月)です。(提出期間は6月1日から7月10日)
  2. 6月の給与の支払いが終わりましたら、算定基礎届の準備をしましょう!!届出期限は7月10日(月)です。(提出期間は7月1日から7月10日)
  3. 源泉所得税の納期の特例承認を受けている場合は、7月10日が「1月から6月までの源泉所得税」の納付期限になります。

(所長:細川 知敬)

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